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2021年01月02日

アナウンス・ナレーション・朗読の違い……って? その4

前回、参考に挙げた「羅生門」などは朗読されることが多いようですが、厳密に言うと本来の「朗読」用の文章とは言い難いと思います。
なぜならやはり「読み返しが可能な、あくまで文字で書かれた文章」の作品だからです。
「朗読」では「読み返し」や「聴き直し」がありません。
冒頭から情報がちゃんと聴き手に伝達できる文章でないと朗読には向かないということが言えます。
具体的に言うと、

●漢語や外国語が多い文章は聴き手に理解されにくい

これは「漢詩」や外国語映画を想像すればわかりやすいでしょう。
漢詩は「漢語」で書かれている、すなわち「音読み」が基本です。
例えばこの文章においても「漢語」は「カンゴ」と発音され「漢語」「看護」「監護(未成年者を監督し保護すること)」「観護(裁判所などから出る観察保護のこと)」のどれなのか聴き手は迷ってしまいます。
もちろん前後の文脈やアクセントでわかることもありますが、わかったときにはもう文章が進んでしまっているということにもなりかねません。
外国語の映画はその言語に堪能であればわかりやすいかも知れませんが、そうでない場合は日本語字幕(文章)を見た方がわかりやすい。
朗読に限らず「セリフ」などもできるだけ「和語」(日本語)で表記した方が聴き手の理解は進みます。

〈例〉発音→漢字変換→和語に改稿の順です
カイジュウ → 懐柔 → 手懐ける(てなづける)
セイコウタンサイ → 聖降誕祭 → クリスマス
メイセン → 冥銭 → 三途の川の渡し賃
エンロ → 遠路 → 遠い所から

●朗読での「セリフ」は発話主体(誰のセリフなのか)を先に提示する方が良い。

〈例文A〉「なにがなんでも明後日には必ず返しにいくから」とAさんは言った。

上記の文章だと最後に発話主体(Aさん)が出てきます。それまでは誰の発言かわかりません。そこで少し改稿します。

〈例文B〉Aさんは「なにがなんでも明後日には必ず返しに行くから」と言った。

これで「誰の」発言なのかはわかりやすくなりましたが、Aさんのセリフがどこまで続くのかは聴いていて不明です。やはりさらに改稿します。

〈例文C〉Aさんはこう言った。「なにがなんでも明後日には必ず返しに行くから」…と。

 これでずいぶんわかりやすくなりました。

 ところが小説では以上のような文体はあまり用いません。
だから私は「小説を原文のままに朗読する」ということにはいささか疑問を持つのです。
朗読をパフォーマンスとして展開するなら、演出として原作を改稿したほうが良いのではないかと考えています。

●固有名詞(人名、地名、商品名、会社名など)や数字はゆっくり、はっきり、しっかりと。

 このことは「ナレーション」や「アナウンス」でも同じです。
極端に意識して発音する必要はありませんが、文章に初めて現れる固有名詞や数字は注意した方がいいでしょう。
その後、何度も出てくるときはあまり意識しなくてもいいと思います。

しかし、どうしても原文通りに朗読したいという場合は、読みのスピードその他(用語やルビなど)を含めて「しっかりした演出」が必要だと思います。
演出と言うのは「聴き手」「観客」の代理です。
すなわち「不特定多数の人間が(朗読を)聴いただけでわかるか」またその人たちにとって「おもしろいかどうか」を判断するのがその役割です。
朗読の場合は朗読者自身が「演出」ですから、以上のことを心得て、「わかりやすく」「おもしろい」表現を目指しましょう。
以上の説明は「サンプルボイス」を製作する場合にも応用できるものだと思います。その際の参考にもなれば幸いです。

こまごまと「アナウンス」「ナレーション」「朗読」の違いについて述べてまいりました。
説明がヘタですみません

さて、次回から新美南吉「売られていった靴」をテキストに、「朗読」を行うにあたっての考察を述べることにします。
厄介ですよ〜〜〜〜!!!



posted by 塾長 at 04:36| Comment(0) | 朗読 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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