「づぼらや」が閉店するようです。
私はフグのあのプロポーションと皮の模様が苦手で、子供のころはフグを食べませんでした。
青年期になると、いろいろなことに慣れたのか、フグも食べられるようにはなりましたが、現在は「高価」なので食べられません(笑)
さて、大阪のフグ料理の老舗「づぼらや」が閉店することになったそうです。
そのニュースを聞いて、思いだしたことがあります。
あれは高校の卒業式の後でした…いったい何年前のことでしょう…
私達の高校は、多くの生徒のターミナルが天王寺だったのですが、式後に到着すると、クラスのほとんどの生徒が一緒にいました。
「あれ? みんなで天王寺に着いたことなんてあったかな?」という思いがしました。
そして、皆で別れが惜しくて、「密」になっていました(笑)
私は情愛に乏しいのか、さっさと帰ろうとすると同じクラスのTが私のところに来て言いました。
「おい、お前、このあたり地元やろ? みんな帰りたくないみたいやから、これだけの人数が入れる喫茶店とか、店を知らんか?」
喫茶店で40名も入れるような店は、私も知りません。
それに皆、学生服、セーラー服ですからね…
そこで思い当たりました。
天王寺だったら「新世界」まで歩いても10分程度…
そや!
「ほな、【新世界のづぼらや】はどうや?」
今から思えば「突拍子もない提案」でしょう(笑)
ですが、Tを始め、皆が私の提案に従う事になりました。
天王寺から新世界まで、ぞろぞろと40人もの制服姿の高校卒業生が歩いているところを想像したら笑えますね!
T「おい…新世界って…あぶないんとちゃうんか?」
私「あぶない?…いいや」
T「酔っ払いとかおるて聞いてるんやけど、あぶないことないんか?」
私「あ〜、酔っ払いは、酔っ払いやから、酔うててその辺に寝ころんでるだけやから危なくないで(笑)」
T「警察とか来(け)えへんのか?」
私「警察(浪速警察署)は近くにあるから、なんかあったらすぐ来てくれて安全やで」
T「けど【づぼらや】って、酒も出すんやろ?」
私「ほらあ、酒もあるで」
T「俺ら、高校生やから、酒飲んだらマズイやんけ」
私「あ〜、そらぁそうかも知れんけど、新世界は【治外法権】やからひょっとしたら大丈夫ちゃうか? 俺なんか中学の時から新世界でパチンコやってたし(笑)今はアベノでやってるけど(笑)」
T「【づぼらや】に行ったら入店交渉してくれるか?」
私「入店交渉なんか要るんかな? まあ、それは…やるで。けど、いっぱいやったら断られるかも知れんな。まあ、その時に考えよ」
と、道中、Tとこんな会話をしながら【づぼらや】に到着しました。
店の人に事情を話すと、「空いているから、よろしおまっせ」とのこと。
高校生の男女40名は無事入店し「てっちり」を食べることになったのです。(高校生だけで「てっちり」!!!!)
この時は「本店」ではなく、本店の向かえにあった、広い「別館」だったと思います。
長いテーブルのある座敷に40人の「高校生男女」が「てっちり」をつついて思い出話に花を咲かせることができました。
と、途中で日本酒が何本か運ばれてきました!
私「おい! 誰や! 酒、頼んだんは!」(高校生の飲酒は、いくら治外法権でもマズイ!)
すると、Tが、
T「俺、俺! え? 足らん? すんませ〜ん、お酒〜追加〜!」
おいおい!
こうして制服姿の男女40名による宴会は「飲み宴会」になりました。
タバコを吸い始めるヤツもいて、いくら【治外法権】とは言え、ヒヤヒヤしたのは言うまでもありません。
「浪速警察に通報するヤツがおるかも知れん。そうなったら…なんとかするで!」
ところが、店の人も注文されたら当たり前に酒を運んで来ますし、タバコも酒も、ほかの客が見とがめるものはありませんでした(笑)
【治外法権】というか…ノンビリした時代だったと言えるでしょう。
そのうち、誰が連絡したのか、ほかのクラスの生徒も何人か合流して来ました。
彼らはいくつかの大学の合格発表を見て来た連中でした。
Y「おい、A、お前合格してたわ!」
A「よっしゃ! やった〜〜〜!!(全員、拍手)」
S「私は? 私は?」
K「サ・ク・ラ……咲くぅ〜〜〜〜〜!!!」
S「キャ〜〜〜〜〜ッ!!(全員、拍手)」
こんな具合です。
いやはや、もうなんと申しましょうか…
でも、酒やタバコはありましたが、喧嘩や悪酔いする者もいなくて、ちゃんと清算もして、2時間ほどで無事に皆で【づぼらや】を出ました。
「子供じみた振る舞い」というのは、当時の高校生にとっては「恥」だったと言えると思います。
もちろん当時の高校生らしく「みだらな行為」などもありませんでした。
警察も来ませんでした。
【づぼらや】さん、あの時はありがとうございました!!
あの時代であったことを感謝します。
「復活」してくれぇ〜〜〜〜〜!!
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2020年06月12日
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