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2014年04月09日

大阪・新歌舞伎座(なんば)の苦い思い出 その五

私がヒマさえあれば下手の袖から舞台を見ているので、舞台操作盤にいる進行スタッフも「いつも熱心やなぁ」と感心してくれるようになりました。

新歌舞伎座の舞台のコピー0.jpg
そんなある時、画像の例で言えば、秋の場面を下手袖でしゃがんで見ていましたら、冬の場面に転換するのに、舞台が上手にスライドしはじめました。
私は安全のために立ち上がろうとしましたら、なぜがこけたのです。
「あれ?」と思って再度立ち上がろうとしても立てません!
その場にひっくり返ったまま足元を見ると…
着物の裾が、スライド舞台と本舞台の間の隙間に挟まれているではありませんか?!
新歌舞伎座の舞台には隙間がある!.jpg

しかもスライド舞台とともに、私は上手にズルズルと引っ張られます。このままでは舞台に出てしまいます。
想像してみてください。
真っ白な雪のシーンに絣の着物を着た子供が舞台にうずくまっているところを。そして挟まれた位置から言えば、私はきっと舞台の中央に出ることになります。
これは舞台人としてとんでもないトチリです。

私は当然、自分でなんとか着物を引き抜こうとしましたが、なんと言っても相手は機械です。全然引きぬけません。舞台進行さんの足元まで引きずられた時、進行さんが当然、この異変に気づいてくれました。
「どないしたんや?!」
「あ、あの…」
「着物挟まれたんか!」
そして一緒に着物を引っ張ってくれましたが、抜けません。

さあ、どうしたと思います?(笑)

舞台進行さんは着物を引っ張りながら私に「着物を脱げ!」とおっしゃったのです。
私は何のことかわりませんでしたが、あわてて着物を脱ぎ始めました。
と、その瞬間、進行さんのやろうとしていることが理解できたのです。
前回の「大阪・新歌舞伎座(なんば)の苦い思い出 その四」にも書きましたが、この「冬の場面」では舞台前面に真っ白な地絣が敷き詰められています。
進行さんは私の着物をその地絣と舞台の間に詰め込んでしまおうとなさったのです。
事の重大さより、その機転に感心しながら着物を途中まで脱いだとき、裾が引き抜かれました。

あと数秒で私は、おそらく進行さんも舞台に「出演」していたことでしょう。

舞台進行さんのお陰で事なきを得ました。
私は覚束なく進行さんにお礼を言いました。進行さんも「よかったなぁ〜」と胸をなでおろしていました。
着つけが乱れたので、このあと楽屋に戻って衣裳さんにお詫びを言って着付けていただかないといけませんが、そんなことはささいなことでしょう。

舞台ではほんとうにどんな事故があるかわかりません。
そして、どんなアクシデントがあっても、この舞台進行さんのように舞台のことを知っており、冷静かつ柔軟に思考を巡らせられれば、なんとか危機を回避できる可能性があるということ。

このことがあって私はもう舞台袖から俳優さんたちの演技を見学することは止しにしました(笑)
でも、演技のことより、もっと多くのことを学べたのは、あの「なんばの新歌舞伎座」での子役時代でした。

(おわり)
ラベル:舞台 機転 冷静 進行
posted by 塾長 at 20:42| Comment(0) | エッセー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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